public キーワードと継承の概要

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Unity Technologies

public キーワードと継承の概要

このチュートリアルでは、以下の活動を行います。

  • public キーワードと、これがコードの中で果たす役割を調べる
  • 変数を public にして、Unity エディターでアクセスする
  • 継承と派生クラスの概念を学ぶ

このチュートリアルを終えると、SpawnerSample スクリプトで使われているライフ回復ポーションのカスタムエフェクトを作成するために必要な知識が身に付きます。

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1. publie と private の違いを理解する


前のチュートリアルでは、コードを整理するためのものとして class キーワードの役割について説明しました。そこでは、もう 1 つのキーワードである public をすでに目にしました。SampleSpawner スクリプトでは、SpawnerSample クラス内に記述された ObjectToSpawn 変数の前には public キーワードが付いています。


デフォルトでは、クラス内のすべての要素は private です。これは、要素を持つクラス自身からのみアクセスできることを意味します。一方、クラス、関数、または変数の前に public キーワードを追加すると、他のクラスからもそれにアクセスできるようになります。


公共(public)のものは積まれているものに簡単に触れられる屋根のない荷車に載っている。一方で、私的(private)なものは屋根付きの荷車にしまってある、と考えることができます。



2. private 変数の例を確認する

public 変数と private 変数の違いを示す例を見てみましょう。


以下のスクリプトについて考えてみてください。


[@portabletext/react] Unknown block type "code", specify a component for it in the `components.types` prop


この状態だと、別のスクリプトの中でドット演算子を使用して、float 型変数 x にアクセスすることはできません。

これは、x がデフォルトで private であるためです。public キーワードが付けられていないため、そうなります。ですので、x にはクラス Vector3 内の関数のみがアクセスできます。


3. LootAngle 変数を公開する

LootAngle コンストラクターと NextAngle 関数を public にして、Unity エディターで出ているエラーを修正しましょう。


1. SpawnerSample スクリプトで、クラス LootAngle 内の関数 LootAngle を探す。


[@portabletext/react] Unknown block type "code", specify a component for it in the `components.types` prop

2. 関数宣言にキーワード public を追加する。


[@portabletext/react] Unknown block type "code", specify a component for it in the `components.types` prop

3. 関数 LootAngle の下にある、関数 NextAngle を探す。


[@portabletext/react] Unknown block type "code", specify a component for it in the `components.types` prop

4. 関数宣言にキーワード public を追加する。


[@portabletext/react] Unknown block type "code", specify a component for it in the `components.types` prop

5. Ctrl + S(Windows)または Cmd + S(macOS)を押して、変更を保存する。


6. Unity エディターに戻り、コンソールウィンドウからエラーが消えたことを確認する。


すばらしいです。コンストラクターと関数にアクセスできるようにすることでエラーが修正されました。


4. Unity エディターで public 変数にアクセスする

クラス変数を public にすると、その変数にインスペクターからアクセスできるようになるという、面白い副次的な効果があります。


SpawnerSample スクリプトでは、変数 ObjectToSpawn は public です。これを Unity エディターで探してみましょう。


1. Unity エディターに戻る。


2. ヒエラルキーで、PotionSpawner ゲームオブジェクトを選択する。


3. インスペクターで、Spawner Sample (Script) コンポーネントを探す。



インスペクターに public にした ObjectToSpawn 変数のフィールドがあることが分かります。



public キーワードを使用して、他の場所からある変数にアクセスできる必要があることをコンピューターに通知すると、Unity はその変数を公開して、皆さん(または他の誰か)がインスペクターでその値を変更できるようにします。


5. 配置するオブジェクトを新しく作成する

public にした ObjectToSpawn 変数を使って、配置するオブジェクトとしてプレハブにしたゲームオブジェクトを割り当てることができます。


ゲームの開始時にお金を配置できるように、別のゲームオブジェクトを作成しましょう。


1. ヒエラルキーで右クリックしてコンテキストメニューを表示して、3D Object > Sphere と選択します。新しいゲームオブジェクトができるので、名前を MoneySpawner に変更する。


2. シーンビューで、移動ツール(ショートカットキー W)を使い、MoneySpawner ゲームオブジェクトを PotionSpawner ゲームオブジェクトの横に移動する。



3. MoneySpawner がヒエラルキーで選択されたままであることを確認する。インスペクターで、Add Component ボタンを選択する。Spawner Sample オプションを検索し、MoneySpawner ゲームオブジェクトにスクリプトを追加する。





4. プロジェクトウィンドウで、 Assets/Creator Kit - Beginner Code/Prefabs/Tutorial に移動し、MoneyLoot プレハブを探す。



5. MoneySpawner がヒエラルキーで選択されたままであることを確認する。MoneyLoot プレハブをプロジェクトウィンドウからインスペクターの Object To Spawn フィールドにドラッグする。



6. Ctrl + S(Windows)または Cmd + S(macOS)を押して、変更を保存する。


ヒント:これらの手順を完了するために助けが必要と感じた場合は、最初のチュートリアルに戻って Unity エディターについて復習してください。


6. 公開された変数を使用してゲームプレイを調整する

公開された変数は、スクリプトを編集せずにゲームプレイを調整できるため、非常に便利です。この方法で、以下のような数値を簡単に調整することができます。


  • オブジェクトの速度

  • 装備時にオブジェクトが与えるダメージの量

  • さまざまなコライダーなど、敵キャラクターとの接触点


公開された値は、コードを書かない人でも変更できるため、非常に便利です。Unity エディターでゲームをプレイしながら調整して、プレイヤー体験のテストや改善に役立てることもできます。


7. 進捗状況を確認する

これらのチュートリアルで多くのことを学びましたが、もう 1 つ見ておくべきことがあります。SpawnerSample クラスの宣言をもう一度確認してみましょう。


[@portabletext/react] Unknown block type "code", specify a component for it in the `components.types` prop

いま、皆さんはこの行の大部分の意味が分かるようになっています。


  • public は、他のスクリプトからクラスにアクセスできることを意味するキーワードです。

  • class は型を作ります。クラスに関連する関数と変数をグループ化できます。

  • SpawnerSample はクラスの名前です



しかし、まだ少しだけ解決していない部分が残っています。「: MonoBehaviour」とは何を意味するのでしょうか。


8. 「MonoBehaviour」を検索する

なじみのないタイプやキーワードに遭遇した場合の標準的なアプローチは何だったでしょうか。そう、まず Unity スクリプティングリファレンスで検索することです。


最初にヒットする結果には次の定義が見えます。


「MonoBehaviour is the base class from which every Unity script derives.(MonoBehaviour は、すべての Unity スクリプトが派生する基本クラスです。)」


この説明からは、MonoBehaviour がクラスであり、すでに触れたことがあるものであり、すべてのスクリプトがそれから派生していることが分かります。SpawnerSample はスクリプトであるため、コロン記号は「コロンの前のクラスがコロンの後のクラスから派生する」ことを意味すると推測できますが、C# で何かが「派生」することは実際にはどういう意味でしょうか。


9. 派生と継承の概要

クラスを使用すると、特定のタスクを完了するために必要な変数と関数をグループ化できます。たとえば、Enemy クラスには、ゲーム内の敵を制御するために必要なすべてのものをグループ化できるという具合にです。


ただし、そのクラスのバリエーションや特殊化したものが必要になる場合があります。たとえば、宙を飛ぶ敵と地面を歩く敵が必要な場合があります。これらのデータとほとんどの関数は同じですが、移動を行う関数は異なります。


このコードを効率的に書くには、以下のクラスを書けばよいことになります。


  • すべての一般的な操作を実行する Enemy クラス

  • それから派生する他の2つのクラス(FlyingEnemy WalkingEnemy


派生クラス FlyingEnemy と WalkingEnemy は、Enemy クラスのすべての関数と変数を自動的に継承(アクセス可能な状態に)します。


派生クラスを考える 1 つの方法は、同じ家族の別のメンバーとして考えることです。



10. 継承の例を見る

前のステップの例を使用して、継承のコードが実際にどのように見えるかを調べてみましょう。


[@portabletext/react] Unknown block type "code", specify a component for it in the `components.types` prop

コロンによって、FlyingEnemy Enemy から派生したものとして識別されます。


次に、関数を再宣言せずに、Enemy クラス内の関数 Attack にアクセスするコードを記述できます。


[@portabletext/react] Unknown block type "code", specify a component for it in the `components.types` prop

11. MonoBehaviour クラスには含まれているもの

Unity のスクリプトは、基本クラス MonoBehaviour から派生しています。これは、スクリプトから基本クラス内で作成された、すべての Unity ユーザーが使用できるさまざまな変数と関数にアクセスできることを意味します。たとえば、以下のものが含まれます。


  • Transform コンポーネントを含む変数 transform

  • ゲームオブブジェクト上のコンポーネントにアクセスできるようにする関数 GetComponent


これらのデフォルトの変数や関数があることで、一般的に必要なことを行うためにスクリプトを書くために費やす時間を抑え、個別のゲームを作るために必要なコードの記述に集中できるようになります。


12. チュートリアルのまとめ

このチュートリアルでは、以下の活動を行いました。


  • public キーワードの役割を確認し、それを使用して SpawnerSample スクリプトの保護レベルエラーを修正した

  • 継承と派生クラスの概念を学んだ


次のチュートリアルではここまで学んだことを応用して、ゲーム内のライフ回復ポーションの効果をカスタマイズを作成します。


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